ランキングを見れば、その本屋さんがわかる!?

また更新が滞ってしまった。書店には毎日か、少なくとも2日おきには行っているのだが、まとめて巡回日誌をと思っているうちに、短時間では書ききれないほど、たまってしまった。もう、「勝手に書店巡回日誌」形式はやめにして、本屋さんに行って、気がついたことがあったら書いていくことに、勝手に変更しようと思う。


また、「ほんとほんやさん」についても、書きたいことがいっぱいあるのだが、これもたまりにたまってしまい、どこから書いていいのかわからなくなってしまったので、もう思い切って一度リセットしてしまい、ぼちぼち書いていこうと思う。


本のランキングについては、これからも続けて書いていこうと思っているのだが、街の本屋さんとして地域に密着しながら、遠くからもわざわざ訪れるひいきのお客さんがたくさんいる千駄木往来堂書店店長のブログで、先々週分(6月30日〜7月6日)の売れ行きベスト10が発表されている。


10冊の本のタイトルだけ見ても、往来堂書店がただの街の本屋さんじゃないことがわかるし、どんなお客さんがこのお店に本を買いにくるのか、お客さんの顔がこのランキングから想像できる。


ほかの書店では、ますます売れなくなっているという文芸書の「東京島」が1位で、本の雑誌の上半期ベスト1にも選ばれ、本読みの間では面白いと評判の「赤めだか」が9位。2位や5位の本は、ほかの書店ではフツーベスト10に入ってくる本ではない。10位には実用書も入っている。


ちなみに、同じ週の紀伊国屋書店全店のベスト10をあげてみるが、最大公約数的なベストセラーランキングでもないし、やっぱり紀伊国屋かというラインナップでもない。読み解きがいがない、面白いとはいえないランキングだ。


本の雑誌の杉江さんのブログ「帰ってきた炎の営業日誌」での往来堂書店のO店長の話によると、ここ数ヶ月売上げがいいというが、ランキングを見るとそれも納得できる。


個々の書店のランキングには、その店のカラーや客層が見えてくるだけでなく、なんとなく店主の品揃えに対する考え方や意気込み、お店の勢いなんかも滲み出てくると言ったら、言い過ぎか。


ランキングは読めば読むほど奥が深い。本は特にほかの商品とは違って、日本全国どこのお店でも売れている本というのはわずかで、そのお店にいつも来ている読者が買う本、欲しがっている本というのは自然にランキングに出てきてしまう。


ほんやまにあ且つランキングマニアとしては、中小の書店でも、うちのランキングはちょっと違うと、自慢したりして、ウエブ上で売れ行きランキングをどんどん発表してほしいと思う。そのランキングを見て、その書店に行ってみたいと思う人も出てくるかもしれない。


あの出版界の歴史に残る本屋プロレスを開催した、中井駅前の伊野尾書店でも、6月のセールスランキングを発表している。


一般書のランキングだけ転載させていただくが(文庫・コミックもある)、各ジャンルに渡って、売れ筋をしっかりと揃えているのがわかる。


伊野尾書店の店内はそんなに広くないので、どのジャンルも点数は多くないのだが、今売れている本だけじゃなく、これからブレイクしそうな本や一部では評判になっている本が押し付けがましくなく、ピックアップされている。


店長自らランキング依存症だとカミングアウトされているが、ランキングマニアとして同じ臭いを感じた。


ランキングやデータというのは、それをどう読み、どう活用していくかによって、ただの売れ行きのいい順のランキングに終わらせてしまうか、それともその店が進むべき道や指針を示してくれる羅針盤にできるかが決まってくるのではないかと思う。


往来堂書店のベスト10(6月30日〜7月6日)


紀伊国屋書店のベスト10(6月30日〜7月6日)


●伊野尾書店の6月のベスト10【一 般】


ランキングの話とは離れるが、往来堂書店も伊野尾書店も本のカバーがどちらも渋くていいカバーだと思う。紀伊国屋書店の昔から変わらないシンプルなカバーも悪くはないが、もうそろそろという感じもする。カバーにもその書店の顔が見えてくる。


カバーの話も回を改めて書いてみたい。