「巣ごもり消費」好調の波に本屋さんにももっと乗ってほしい!!

だいぶ長い間、放置してしまいましたが、私の大好きな本屋さんにお客さんがもっと足を運ぶようになり、いくらネットで本が買えるようになっても、足を踏み入れるだけでドキドキするような本屋さんがなくなってしまわないことを願って、本と本屋さんをテーマに、また再開します。


12日のテレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」(23時〜)の特集は「巣ごもり消費 カギは宅配?」というタイトルで、好調だと言われている「巣ごもり消費」にも、消費者側の選別が始まっているという結論だった。


特集の始めには、TSUTAYAを擁するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の第3四半期(2008年4〜12月)の経常利益が過去最高で、その好調の要因として、DVDなどの宅配レンタルの好調があげられていた。


さらに、昨年11月から試験的に在庫2万冊からスタートした「コミックレンタル」が予想以上に好評で、今後月に5000冊ずつ増やしていく計画だという。


このコミックの宅配レンタルスタートのニュースを聞いたときには、10冊1785円で2週間レンタルというのは、けっこう割高に感じ、どんな人が借りるのかなと正直思ったが、番組によると、実際の利用者は子育てに忙しい30代〜40代の主婦が6割を占めているという。


品揃えは映画やテレビドラマの原作になったものが中心で、主婦にとっては、店頭では買いにくい少年向け、青年向けのコミックも人気が高いらしい。実際に利用している主婦は「本屋さんでは目当ての巻がなかったりして買わなかったり、古本で全巻買うほどではないが、宅配レンタルなら便利。返却は電話1本で取りにきてもらえると聞いたので」とコメントしている。


これを見る限りでは、結果的に、日常的にある程度コミックを買っている読者以外の潜在読者を掘り起こしていることがわかる。好きなコミックは買い揃えたいと思っている読者にとっては、1冊あたり144円〜178円というレンタル価格は高いかなと思うが、本屋さんやレンタル店にも行けない子育てママにとっては、1785円でマンガ10冊を2週間楽しめるというのは、リーズナブルなのかもしれない。


また、いつも読ませていただいている「150坪・書店員BLOG」によると、最近店頭でも、コミックの大人買いのお客さんが増えているという。


確かに不況の影響で、書店の売上げが下がることは避けられないと思うが、本やコミックは「巣ごもり消費」の主役とまではいかなくとも、主要商品になる可能性は高い。ただ、リアル書店にも行かない、行けない層にどう対応するかが大きな課題だろう。 


買い物帰りや会社帰りに持って帰るのにはちょっとかさばる全巻セットを、電話やメールで気軽に注文できて、取り置きしてくれたり、無料で配達してもらえると読者としてはうれしい。
また、雑誌の定期購読を打ち切る会社や商店が実際に増えているという話も聞くが、別なかたちでの、宅配需要というのがあるのかもしれない。


単行本は1500〜2000円で2〜3日楽しめ、何度も読み返すこともできる。内容によってはその1冊で悩みが解消したり、現状を打破するヒントを得ることもできる。


時には人生が変わるきっかけにさえもなるかもしれない本は、こんな大変な時代だからこそ、「巣ごもり消費」の主役になってもおかしくないと思うのだが。


ちなみに、番組によると、順調に業績を伸ばしてきた「ゲオ」の2009年3月期の営業利益は12%減で、ゲームソフトやアーケードゲームナムコも「巣ごもり消費」の波には乗れていないようだ。


その一方で、カルチュア・コンビニエンス・クラブの第3四半期(2008年4〜12月)の連結決算は、発表によると、前年同期比減収増益。営業・経常・純利益とも増益。2009年3月期連結業績予想は、売上高2500億円(前年比5.2%増)、経常利益160億円(同5.7%増)、純利益80億円(同172.9%増)と、ひとり勝ち状態だ。