雑誌の休刊・廃刊はもう止まらない!?

先日、出版社の売上高2位・小学館の「週刊ヤングサンデー」の休刊について触れたが、今度は売上高1位の講談社の男性月刊誌「KING」と女性月刊誌「Style」の休刊決定のニュースが流れた。

講談社は13日、2年前、大型創刊として話題を呼んだ月刊「KING(キング)」を9月発売号で休刊することを決めた。

 同誌は06年9月に23万部で創刊された男性総合誌。日本初の100万部雑誌となった昭和の大衆総合誌「キング」の名前を襲名し大量宣伝を行うなど、長引く雑誌不況に風穴を開ける雑誌として期待されたが、対象とする20、30代の男性の雑誌離れが激しく、創刊当初から売れ行きが低迷していた。

 01年創刊の女性誌「Style(スタイル)」も9月発売号で休刊する。

(2008年6月14日01時08分 読売新聞)

「KING」は雑誌名からも、講談社が相当力を入れ、23万部でスタートした大型創刊誌だったが、すぐに売行き不振が話題となり、部数も大幅に減らし、昨年の日本雑誌協会の数字では、88,333部(印刷証明付)だった。


この数字は2006年9月1日〜2007年8月31日までの数字なので、それ以後はもっと少なくなっていたかもしれない。


けっこう、創刊当初は期待感もあり、編集方針などへの批判もあったが、最近は話題にものぼらない感じだった。


作家のリリー・フランキーが、創刊の記者発表会で、

「僕が創刊にかかわる雑誌は2年以内に廃刊されることが多い。まずは7冊目が山ですね」と発言し、関係者を真っ青にさせ、会場を笑わせたが、その言葉通りの結果になってしまった。


ちなみに、昨年1年間の雑誌の創復刊点数は182点で前年より21点(13.0%)の増加、一方休廃刊点数は51点(30.5%)増の218点で、出版科学研究所が出版統計を取り始めて以来最多となった。


今年はすでに2000年に創刊し、一定の固定読者もいた文藝春秋の「TITLE」が、2月26日発売の4月号で突然、休刊するなど、大手の出版社でも雑誌を維持できない厳しい状況になっていることが伺える。


ネット広告の増大とともに、広告媒体としての雑誌の価値も低下し、雑誌そのものを購入する読者の減少にも歯止めをかけるのは難しくなる一方で、今後も、広告に依存した従来のタイプの雑誌の休刊は加速していくことは間違いない。


このほんやまにあは、若いころから活字中毒で、特に雑誌は週刊誌、月刊誌合わせて、月に20冊以上買っていたときもあったが、今はだいぶ少なくなってしまった。


冊数は減っても、特集のテーマによっては、雑誌は買いたいと思うので、売れないからと、このままどんどん雑誌が減っていくのは、単純に寂しい。


前回の記事で、大幅な減収減益だった小学館の決算数字を紹介したが、一時は売上げが2000億円以上あり、ダントツでトップだった講談社の数字も長期低落傾向に歯止めがかからず、相当厳しいようだ。


講談社・第69期(H18.12.1〜同19.11.30)】

売上高:1443億100万円(前年比0.9%減)
営業損失:3億3800万円
経常利益:24億800万円(同25.5%減)
当期純利益:10億5800万円(同31.2%減)

営業ベースで損失計上となったのは4年ぶり。


ジャンル別の内訳は、
雑誌:221億円(前年比1.3%減)
コミック:664億円(同2.1%減)
書籍:315億円(同5.4%増)


ちなみに、ほかの日本雑誌協会が発表している男性誌の発行部数もあげてみる(2006年9月〜2007年8月の平均部数)。


【男性ヤングアダルト誌(ライフスタイル・全般)】

  • Casa BRUTUS(マガジンハウス)80,125
  • KING(講談社)88,333
  • Tarzan(マガジンハウス)189,330
  • TITLe(文藝春秋) 42,500 =休刊
  • BRUTUS(マガジンハウス)88,543
  • ライトニング(耷出版社)115,133


【男性ヤングアダルト誌(オピニオン)】


【男性ミドルエイジ誌(ライフスタイル)】


日本雑誌協会に加盟していない雑誌=広告主への公称部数】