情報誌で育った世代には男性誌の元気のなさは寂しい

「KING」休刊決定についての記事で男性誌の発行部数をあげたが、発行部数10万部を超える雑誌はわずかで、女性誌に比べて、点数でも部数でも、はるかに少ないのを見て、男性誌の元気のなさを実感した。


ほんやまにあは、「ぴあ」と「シティロード」は必須の情報誌・マニュアル誌世代で、「POPEYE」(マガジンハウス)も「Hot・Dog PRESS」(講談社)もよく読んだ。


モノ・マガジン」(ワールドフォトプレス)なんかのモノ雑誌もけっこう読んでいたし、「DIME」(小学館)や「SWITCH」(スイッチ・パブリッシング)も創刊当時からよく読んでいた。


本の雑誌」や「広告批評」なども読んでいたので、今からは自分でも信じられないほど雑多な雑誌をたくさん読んでいた。


今はネットで情報は即座に検索できるので、情報を網羅した単なる情報誌の必要性はなくなってきている。


ただ、情報は一度にたくさん見れるが、どの情報をどう選んだらいいかは誰も教えてくれないし、けっこう困っているはずだ。


だから、たくさんの情報のなかから選択するものさしが「ランキング」ということになり、どのアイテムでもコンテンツでも、ランキングの上位に集中する一極集中化は、避けて通れない。


また、モノやファッションから恋愛マニュアルまでを網羅した、若者向けの総合的なマス雑誌はもうだめだと思うが、一貫したコンセプトで情報を吟味、編集して、ある道筋を示してくれるような内容で、毎号5万部から6万部は確実に固定読者が買うような雑誌(専門誌ではない)というのは、まだまだいけると思うし、読みたいと思うのだが。


そのコンセプトは、アンケートやマーケティングから機械的にはじきだしたものではなくて、情報の目利きのような生身の人間のセンスや勘のようなものから導き出されるもののほうがいい。


昔は雑誌の編集者というのが、ある意味情報を発信し、読者をリードしていく存在であり得たが、一定の読者を強引にリードしていくようなカリスマ編集者は、もう今の出版社には存在しえないのだろうか。


BRUTUS (ブルータス) 2008年 7/1号 [雑誌]
BRUTUS (ブルータス)』 2008年 7/1号


昨日は、井上雄彦緊急特集だったので、久しぶりに「ブルータス」を迷わず買った。