新刊書店の古書併売。紀伊國屋書店札幌店の試みで一気に拡大か!?


古本屋が新刊書店と同居 紀伊國屋札幌ロフト店 8店来月から営業(北海道新聞:10月8日付)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/122079.html


紀伊國屋書店札幌ロフト店が、売り場の六分の一に当たる約200平方メートルを開放し、道内の古書店八店が共同で出店する古書店街「サッポロ ロフト古書の街」がオープンさせるという記事が出た。


9月26日のエントリのあと、全国で新刊書店が常設の古書売り場を設けている書店をネットで調べてみたのだが、前回とりあげたフタバ図書のほかには、出版界に新しい風を巻き起こしてきた長野の平安堂書店など、まだ10店にも満たない状況だったので、もう少し調べてみてからと思っていたら、紀伊國屋書店の名前が挙がってくるとは。やはり、ほかの書店とは影響力が違うので、今後の動きを注目していきたい。
(追記:2004年10月より、紀伊國屋書店は「ふるほん文庫やさん」と提携し、絶版品切れ文庫については店頭とWebで販売している)


これまでの経緯を部外者から見ると、出版社や取次との関係からか、新刊書店の古書併売というのは、控えられてきたというか、積極的には展開されてこなかった。


業界の詳しい事情はわからないが、読者としては、新刊書であろうが、古書であろうが、自分の欲しい本、買いたい本が同じ棚に並んでいることは大歓迎だ。


ちょっと飛躍しすぎかもしれないが、その読者のニーズに応える役割をブックオフが書店に代わって担い、ここまで急成長したといってもいいのではないか。


ブックオフは業界にとってはルールを無視する存在だったかもしれないが、ここまで急成長したのは、その目的は様々だとしても、本を買い、本を読む読者が支持したからにほかならない。


私はブックオフの礼賛者でもないし、応援をするつもりもない。一読者として、新刊書店で本と雑誌を買い、古書店でも本を買う、そしてたまにはブックオフで、もう書店店頭では消えてしまった「新古書」を安く買うこともある。


ただ、好きな本を本屋さんの棚から選び、それを買って読むという楽しみを失いたくないし、その楽しみに気づいていない人や、子供たちに伝えていけたらと思うだけである。


もっとシンプルに、読者に喜んでもらうためにはどうしたらいいのか、読者が本屋さんに行って、本を買いたくなるようになるにはどうしたらいいかを、考えてもらえれば、読者の本屋さん離れのスピードが、今よりは遅くなるのではないだろうか。


今回のように地域の古書店と連携することで、新刊書店にとっても、古書店にとっても共にメリットがあるのではないか。本の面白さを伝えるという目的の上では、自然なコラボだと思う。


これほどの大きな規模ではなくても、一書店の棚1段、2段のスペースでもいいし、「一箱古本市」のような古書ボックスによる出店形式でもいいと思う。


手間のかかる割にはすぐに利益が上がらないかもしれないが、書店にも古本が売っているという事実だけでも、読者の足を向けさせるきっかけになるのではないだろうか。今後の展開を一読者として注目していきたい。


【古書売り場が常設されている本屋さん】

フタバ図書(広島)http://www.futabatosho.co.jp/

三省堂書店神保町本店(東京・神保町)http://www.books-sanseido.co.jp/shop/kanda.html

東京堂書店ふくろう店(東京・神保町)http://www.tokyodoshoten.co.jp/

・平安堂書店(長野)http://www.heiando.co.jp/

・勝木書店(福井)http://www.katsuki-books.com/

・金港堂書店(宮城)http://www.books-kinkodo.co.jp/

田村書店(大阪)

(追記)
紀伊國屋書店新宿本店(東京・新宿)http://www.kinokuniya.co.jp/

※以上のリストは、書籍やネットで発表されている記事などから、個人的にピックアップしているものですので、その点をご了承ください。


平安堂・勝木書店・田村書店・金高堂、古書新会社を10月1日に設立
http://www.bmshop.jp/cgi_bin/bbs/shinbunka/read.cgi?no=2077

こんな本屋さんなら、つい行ってしまう・その4:新刊書と古書が買える店
http://d.hatena.ne.jp/dragon8/20080926/1222416175