本と本屋さんのニュース:2月23日〜3月6日
2月第4週から3月第1週の出版関連のニュースをメモしておく。以前は半月〜1ヶ月ごとにメモしていたが(不定期)、今後はできるだけ1週間ごとにメモしていこうと思う。
2月23日
ほんとほんやさんのはなし関連エントリ
- 講談社過去最大の赤字決算から読み取れる出版の未来http://d.hatena.ne.jp/dragon8/20090224/1235522359
2月25日
ほんとほんやさんのはなし関連エントリ
- 「エスクァイア」休刊のニュースに想う、雑誌は春のこない「厳冬の時代」に入ってしまったのか!? http://d.hatena.ne.jp/dragon8/20090218/1234961867
- Cawaii!(カワイイ)休刊とエスクァイア休刊のニュースの波紋http://d.hatena.ne.jp/dragon8/20090221/1235216756
2月26日
- 角川グループホールディングス、中経出版を子会社化(新文化)http://www.shinbunka.co.jp/news2009/02/090226-01.htm 今後の事業展開の上で、両社にとってメリットがある話で、経営難による子会社化ではないという。経営陣を始め、編集・営業体制も現行のままで、株主が変わっただけということらしい。
- 月刊の少年サンデー「ゲッサン」、今春創刊へ…小学館(読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20090226-OYT1T00865.htm
- 小学館、5月12日に月刊漫画誌創刊(新文化)http://www.shinbunka.co.jp/news2009/03/090305-03.htm 「月刊少年サンデー」公式サイト http://gekkansunday.net/index.html
「月刊少年サンデー」(ゲッサン)はあだち充や島本和彦など人気漫画家を連載陣に迎え、毎号読切り、全面に漫画を押しだす。コア読者は中高生。創刊部数は30万部を予定。毎月12日発売、予価500円。
3月2日
- サンブック社、「アウトレット本」でサイト新装(新文化)http://www.shinbunka.co.jp/news2009/03/090302-01.htm 「サンブックストア」http://www.sanbookstore.jp/
3月3日
- 創刊40年「諸君!」休刊へ 部数低迷(朝日新聞)http://www.asahi.com/culture/update/0302/TKY200903020297.html
- 文藝春秋:「諸君!」休刊へ(毎日新聞)http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090303dde041040058000c.html 「諸君!」は看板雑誌である月刊「文藝春秋」の兄弟誌的な位置づけで、69年5月に創刊、保守系の代表的なオピニオン誌だった。5月1日発売の6月号が最終号になる 一時は約8万5000部を発行していた時期もあったが、2007年8月〜2008年年9月まで平均発行部数部数は6万4584部。実売は4万部を切っていたという。同社全体の広告収入の落ち込みもあり、休刊を決めたという。 昨年からの雑誌売上げの急激な落ち込みの中では、休刊もやむをえないともいえるが、もともと販売、広告収入とも高い収益を期待できる雑誌ではなく、内容は別にして、単体では赤字でも出版していくことに意味があるような雑誌だった。昨年の、「現代」(講談社)、「論座」(朝日新聞社)に次いで、今年は「諸君!」が休刊と、大手の総合出版社の体力が体裁のいいことは言っていられない、相当厳しい状況になっていることが伺える。ちなみに、新潮45(新潮社)4万8925部、正論(産経新聞社発行・扶桑社発売)7万192部、中央公論(中央公論新社)4万1517部、Voice(PHP研究所)3万2850部。
3月5日
- 出版科研の書籍・雑誌販売額調査:1月期は対前年比1.3%減と11カ月連続のマイナス(新文化) http://www.shinbunka.co.jp/news2009/03/090305-02.htm
書籍が対前年比1.4%減、雑誌同1.1%減。書籍は低価格本の売れ行きは伸びているが、販売金額で伸び悩んでいる状況。雑誌は、販売部数が大幅に落ち込んだが、平均価格の上昇が著しく、金額のマイナス幅は1%台にとどまった。内訳は、月刊誌が販売部数が同5.7%減に対し、販売金額は横バイ。週刊誌は部数が同9.2%減に対し、金額では同4.6%減となっている。返品率は、書籍が前年同月比2.1ポイント増の 39.4%、雑誌が横バイの38.1%。
『エスクァイア日本版』休刊のニュースについては、書店店頭では、発行部数の減少やその売行きの程から、大きな驚きもなく迎えられた感じだが、第一報から2週間以上経った今でも、エスクァイア・休刊のキーワード検索で当ブログに訪れる方がけっこういらっしゃって、業界内よりも一般の読者にとってのインパクトのほうが大きかったようだ。
20年以上続いた雑誌なので、昔読んでいたことがあるという読者も多く、その当時への思いとともに休刊を惜しむ声も多いと考えられる。また、アートディレクターやデザイナー、カメラマンといったクリエイティヴな業界でも、大きな衝撃が走ったようで、エスクァイア復刊を願うサイトや署名サイトができている。
『エスクァイア日本版』を復刊させよう!
http://foreveresquire.seesaa.net/
このように休刊が決まってしまう前に、なくなってほしくない雑誌は、「本の雑誌」のように多くの読者ができるだけ買い続けることしかないのかと思う。